残された二週間

早いもので、あと二週間すれば子どもたちに会える。ここまで順調に過ごせると思っていなかった。いつも私の状態を最優先してくれた夫、長期にわたって衣食住全ての面倒を見てくれた母、退職時に最大限の配慮をしてくれた会社に感謝である。これから出産までの時間は、覚悟を決める時間として静かに使いたい。

 
6年前に結婚を決意した時、喜びももちろんあったが、新しい生活に対する緊張や責任や不安の気持ちでいっぱいだった。もちろん、結婚して生活が落ち着くと私は「ああ、今が自分の人生で一番幸せだな」と思いながら過ごすまでになったのだが、そんなときに子どもが出来たとわかり「今、自分は人生の中でかなり大きな岐路に立っているんだな」と再びあの緊張と責任と不安の感情が蘇ったのだった。人の命を産み、育てる責任を負うということ。果たして自分にその役目がこなせるのだろうか??出産を間近に控えた今「おそらく出産してもこの不安は消えることがなく、その感情を抱きつつとにかくできることをやっていくことになるのだろう」と半ば諦めのような覚悟を持ちつつある。
 
でも、もちろん嬉しい。まず、愛する夫の子どもを産めることが嬉しい。夫が嬉しそうにしてくれて嬉しい。母も喜んでくれていて嬉しい。2ヶ月前に祖母が死に、私はもうすぐ子どもを産もうとしている。人は死に、次の世代が産まれる。こうやって人類は歴史を重ねてきたんだなとしみじみ感じる。
 
さて、明日は病院。入院はいつからになるのだろう?